扱いは試験によってちがいます。今回読んだ公式資料には、「8割に満たないと採点しない」のような決まりは見つかりませんでした。いちばん確かなのは、問題の注意書きを読み、上限と下限が示されていれば、その両方を守ることです。
どんな資料を読んだか
2026年9月に、都道府県教育委員会などが公開する公立高校入試の事例を13件、大学・短期大学14校の入試資料を16件読みました。高校入試の13件には、同じ都道府県の別の選抜を別件として数えたものがあります。塾や予備校の説明と、開けずに確認できなかった資料は、この件数に含めていません。
字数制限を外れたときの扱いを示していた例
今回読んだ公立高校入試13件のうち、字数制限を外れた答案の扱いを具体的に示していたのは、三重県と長野県でした。
- 三重県(令和8年度、二百字以上二百四十字以内の作文):字数の不足・超過について、「二十字以内の場合は一点を減じる。二十字を超える場合は二点を減じる。」(採点基準)
- 長野県(令和8年度):「字数制限に従って書いているもののみを評価の対象とする。」(正答・正答例)
三重県は、字数の過不足に応じて1点または2点を減じます。長野県は、字数制限に従って書いた答案だけを評価の対象としています。このように、扱いは試験によって大きくちがいます。
字数を観点に挙げても、点数までは分からないことがある
字数を採点の観点に挙げていても、字数の不足や超過を何点とするかまでは書いていない資料がありました。
- 静岡大学の小論文の採点・評価基準:「字数を大幅に超えていないか、あるいは字数が極端に少なくなっていないか」(令和7年度・後期日程)
- 東京都の採点のポイント:字数についての点数は示されておらず、各学校が採点のポイントを踏まえて「部分点の基準」を作成する形(令和8年度)
今回読んだ公式資料には、「8割」「9割」は出てこなかった
今回読んだ公立高校入試13件と大学・短期大学14校の公式資料では、「8割に満たないと0点」「9割は書くべき」のような共通の目安は見つかりませんでした。検索では、塾や予備校などの説明が見つかりました。ただし、公式資料に一律の割合がないことは、短くてもよいという意味ではありません。字数を採点の観点に含める試験や、「○字以上○字以内」と下限・上限の両方を指定する試験があります。問題が求める内容を十分に書き、問題文に下限がある場合は必ず守ってください。レポートの案内で比べたものは、「800字以内」は何割書けばいい?にまとめました。
数え方も、試験の指示に従う
数え方や、原稿用紙への書き方も、試験によって指示がちがいました。
- 東京都:書き出しや改行で空けたマス、読点・句点・かぎかっこも、それぞれ字数に数える(令和8年度の問題)
- 神奈川県:行の最後のマスに文字と句読点を一緒に置かず、「句読点などは次の行の最初のマス目に書き入れなさい。」(令和8年度の問題)
- 長野県:最後の1マスに文字と句読点を一緒に書いて字数を超えた場合は、句読点の誤りとして1点減点
神奈川県の指示は、句読点を前の行に収める、よく教わる書き方とは異なります。ふだん使っている書き方とちがっても、その試験の注意書きを優先してください。
受ける前にできること
- 志望校や受ける都道府県の過去の問題で、注意書きの書き方を読んでおく
- 「○字以上○字以内」なら、下限と上限の両方を守る
- 本番では、書き始める前に注意書きを読み、句読点や数字の書き方の指示を確かめる
練習の答案で確かめる
「文字数カウント」で「〜から〜まで」を選ぶと、二百字以上二百四十字以内のような幅で判定できます。「ますめ」では、行の頭に来る句読点を、前の行のマスに入れるか、次の行の頭に書くかを切り替えて、マスへの並び方を見られます。
書いた人:藤井海(国語科教員)/2026年9月25日。引用は、2026年9月25日に各教育委員会・大学の公開資料で確かめたものです。試験の決まりは年度によって変わることがあります。受ける年度の募集要項と問題の注意書きを確かめてください。