問題によってちがいました。47都道府県の令和8年度の公式資料を調べ、作文・記述問題の条件まで確かめられた17都府県を比べると、題名や名前をどう扱うか、書き出しや段落をどうするか、句読点をどこに書くか、長さを字数と行数のどちらで決めるかに違いがありました。
どんな資料を読んだか
2026年9月に、47都道府県の教育委員会などの公式サイトで、令和8年度の公立高校入試・国語の問題や解答用紙、採点の資料を探して読みました。今回確認できた資料を、次の3つに分けました。
- 作文・記述問題の条件まで確かめられた:17都府県(下の表)
- 今回確認した公式資料では、作文の出題を確認できなかった:8道府県
- 作文の条件を、令和8年度の公式の問題文で確かめられなかった:22県
この分類は、各都道府県の公開のよしあしを分けたものではありません。2026年9月25日に、公式サイト上で確認できた資料の範囲を整理したものです。
条件まで確かめられた17都府県で比べると
神奈川県は作文ではなく、条件のある記述問題です。「—」は、確認した資料に、その項目についての指示が明記されていなかったことを表します。都府県全体に決まりがないという意味ではありません。
表は横にずらして読めます。
| 都府県 | 長さの決め方 | 題名・名前 | 書き出し・段落 | 句読点など |
|---|---|---|---|---|
| 青森県 | 百五十字以上、二百字以内 | 題名を書かない | 二段落構成 | — |
| 宮城県 | 百六十字〜二百字 | 題名、氏名は書かない | — | — |
| 秋田県 | 二百字以上、二百五十字以内 | 題名は不要 | — | — |
| 群馬県 | 百五十字以上、百八十字以内 | — | 一マス目から書き始め、段落は設けない | 記号や句読点等も一字として数える |
| 埼玉県 | 行数:十一行以上、十三行以内 | 題名・氏名は書かず、一行目から本文を書く | 二段落構成 | — |
| 東京都 | 二百字以内 | — | 書き出しや改行で空けたマスも字数に数える | 読点・句点・かぎかっこも1字に数える |
| 神奈川県(記述の問題) | 三十字以上四十字以内 | — | — | 1字に数える。行の最後のマスには文字と一緒に置かず、次の行の最初のマスに書く |
| 長野県 | 六十字以上八十字以内 | — | — | 句読点・カギ括弧も1字に数える。最後の1マスに文字と句読点を一緒に書いて字数を超えたら、1点減点 |
| 岐阜県 | 行数:六行以上九行以内 | 題名・氏名は書かない | 書き出しや段落の初めは一字下げる | 句読点、かぎも一字に数える |
| 静岡県 | 百五十字以上、百八十字以内 | — | 一マス目から書き始め、段落は設けない | — |
| 三重県 | 二百字以上二百四十字以内 | — | — | — |
| 滋賀県 | 百字以上、百四十字以内 | — | — | — |
| 大阪府(B問題) | 解答欄は260マス(字数の指示は確認できず) | 題名や名前は書かず、本文から書き始める | — | — |
| 奈良県 | 百字以上百五十字以内 | 題、自分の名前は書かない | 二段落構成 | — |
| 岡山県(条件作文) | 八十字以上百字以内 | — | 二文で書き、二文目は「だから」と書き出す。解答欄の書き出しに続けて書く | 「、」や「。」も一ます使う |
| 福岡県 | 行数:十行以上、十二行以内 | 題名・氏名は書かない | 二段落構成 | グラフの数値は、問題に示された例にならって書く |
| 鹿児島県 | 行数:六行以上八行以下 | — | 二段落で構成 | — |
長野県の減点の決まりは、正答・正答例に書かれています。岡山県は、県の検査結果の冊子に載っている問題と解答用紙を読みました。鹿児島県は、県の「学力検査結果の概要」に載っている問題を読みました。
比べて見えたこと
- 長さを行数で決める問題がある:今回確認できた17都府県では、埼玉県・岐阜県・福岡県・鹿児島県の問題が、字数ではなく「○行以上○行以内(以下)」で長さを指定していました
- 題名・名前は、指示のあった8府県では「書かない」:今回確認できた17都府県のうち、題名や名前について指示があった8府県は、いずれも書かない指示でした
- 書き出しや段落の指示が分かれる:岐阜県は書き出しや段落の初めを一字下げるよう指示し、静岡県と群馬県は一マス目から書き始め、段落を設けないよう指示していました。また、二段落で書くよう求める問題も5県にありました
- 行末の句読点の扱いも問題によってちがう:神奈川県は、行末の文字と句読点を同じマスに置かず、句読点を次の行の最初のマスに書くよう指示していました。長野県は、最後の1マスに文字と句読点を一緒に書いた結果、総字数が制限を超えた場合は、句読点の誤りとして1点減点するとしていました
- 文の数まで決める問題もある:岡山県の条件作文は「二文で書き」、二文目を「だから」で書き出すよう指示していました
今回確認した公式資料で、作文の出題を確認できなかった道府県
北海道・茨城県・新潟県・愛知県・京都府・兵庫県・広島県・高知県では、今回確認した令和8年度の公式資料から、作文の出題を確認できませんでした。短い記述問題がある道府県もあります。愛知県は、公開された国語の解答用紙では、すべてマーク式でした。
この8道府県について、判断に使えた資料の種類は同じではありません。兵庫県は、県が公表した小問別得点率の表に作文に当たる小問がないことから判断しました。
作文の条件を、公式の問題文で確かめられなかった県
次の22県では、令和8年度の作文の条件を、今回確認した県などの公式サイト上の問題文で確かめられませんでした。作文がないという意味ではありません。要項や分析資料などから、作文の実施自体を確認できた県もあります。
岩手県・山形県・福島県・栃木県・千葉県・富山県・石川県・福井県・山梨県・和歌山県・鳥取県・島根県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・沖縄県
たとえば和歌山県は、解答用紙と採点表を公開していますが、国語の問題については「著作権等の関係で掲載していません。」と案内しています。公式サイトで問題文を確認できなかった県を受ける人は、学校や過去の問題集で、作文の注意書きを確かめてください。
ふだんの書き方と、試験の指示がちがったら
学校でよく教わる原稿用紙の書き方と、試験の指示がちがうことがあります。そのときは、試験の指示を優先してください。題名・名前、書き出し、句読点の置き方について、問題の注意書きや解答用紙に指示が書かれていることがあります。書き始める前に確認してください。
受ける都道府県が決まったら、過去の問題の注意書きを読んでおくと、本番で迷いにくくなります。字数の不足や超過の扱いは、入試の作文・小論文で、字数が足りない・超えたらどうなる?にまとめました。
練習の答案を、その試験の書き方で数える
「文字数カウント」の「判定に使う数」で「原稿用紙の行数」を選ぶと、1行のマス数を入れて行数で判定できます。「原稿用紙のマスの数」または「原稿用紙の行数」を選んだときは、行の頭に来る句読点を、前の行に入れるか、次の行の最初のマスに書くかも選べます。「ますめ」では、原稿用紙のマスへの並び方を見られます。
書いた人:藤井海(国語科教員)/2026年9月25日。表の内容は、2026年9月25日に各都府県の教育委員会などの公式サイトで確認できた令和8年度の資料に基づいています。資料の公開方法や掲載範囲は、都道府県によって異なります。試験の決まりは年度や選抜によって変わることがあります。受ける年度の問題の注意書きを確かめてください。